第九章 scar

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 一旦、基地に帰ったが、 どうしょうもなく気になって、 政宗は再び上原の家を訪ねることにした。 「ギジ、すまん。 レイと、トウを借りる。 もしかしたら、手を貸して欲しい」 「構わんよ」  ギジが、通信機を手に持って、 愛用の机の前に居た。 「レイ。 留守番頼む、やっぱり俺が行く」  ギジが来ると言う。 「…地球は許せんのでね。 俺の手で、始末をつけたい」  ギジは、妹を地球軍に殺されていた。 ギジの妹はミラレスの実験体でも、 頭脳の方であったというのに、 自宅が襲撃され撃ち殺されていた。 名目は、テロ活動をしている、だった。 それは誤りであったのだが、 地球軍は防衛のためだったと謝罪もしなかった。
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