第十章 66.6

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 ガトウスリの天然体の拉致で、 地球軍とガトウスリが一瞬触発状態となった。 軍部も、続々と集結し、 戦闘を回避するように両者に求めていた。 「虎森丸、出航する」  虎森丸の設備は、 砂漠で離発着が出来るようになっていたので、 空港でなくても飛び立てる。 「有機型の宇宙船は、初めてみましたよ」  ギジもコクピットに来ていた。 「それはそうでしょう。これが宇宙初ですから」  ミシミシと音がしていた。 どこかで、空気の漏れる音がする。 「…大丈夫ですか?」 「宇宙船が生きていますからね。 大丈夫でしょう」  宇宙船が死にたくないから、自己補修する。 そして、自らが生きるために、 操縦する人間を守るのだ。
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