第十章 66.6

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「うわああああ」  でも、政宗はナイフも蹴り飛ばすと、 今度は勢いのまま、兵士も蹴り飛ばしていた。 「泣くな、俺はここに居る」  あの日、言えなかった言葉であった。  やっと動揺が収まった上原は、ぼんやりと過去を見たが、 頭がはっきりしない。 分かっていることは、今回は、上原は遅刻してしまい、 会場に辿り着くと、皆が倒れていた。 傍にコップが落ちていた。 コップの中の液体が、床にこぼれていたので、 皆、飲んでいる途中で倒れたのだろう。 脈を確認すると、遅いが途切れてはいなかった。  上原は、自分も飲んだフリをして、 液体をハンカチに浸した。
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