ラブレター

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 あと七分。……長い。  元から男子に不慣れだし、さっきのことも重なって、いろんな意味で長い。  普段ならば、バス停で隣り合った席の人喋らないだろう。というか、絶対喋らない。しかしながら、同じ高校生ということと図書館にいたのだということで、親近感を覚えていた。  それに加えて、私が育ってきた環境もあるのだろう。田舎独特の警戒しない雰囲気というべきか。みんなが顔見知りだからか、家に鍵がかかっていないこともしばしばある。  そんな環境もあったせいか、私は警戒心がほとんどない。  そうだ。どうせだったら、聞いてみるか。彼が何というか分からないけど。 「ちょっと、聞いてくれますか?」 「ええ。良いですよ」彼は頷く。「どうせ、あと数分、暇なんですから」 「ありがとうございます」  そう言うと、最近起こったあることを話し始めた。
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