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体育の時間に走ったり、ドッジボールをしたりしていたグラウンド。
だけどそこには、こんなに悲しい出来事があったなんて。
おばさんは先ほど見た小さな男の子の姿を思い出した。
(ごめんね、何も出来なくて。でも君の事、忘れないよ)
胸の中でつぶやいて、おばさんはそっと手を合わせた。
「お待たせ」
友達の方を向くと、彼女達もおばさんと同じようにグラウンドに手を合わせているところだった。
目が合うと、みんなはちょっと照れくさそうに笑いかけてくれた。
「行こっか」
◇ ◇ ◇
小学校4年生の頃に体験した、夜の学校の肝試し。
学校でそんな経験をしたのは、後にも先にも、その時だけだけどね。
S君のおばさんはそう言って、もう40年くらい前の話だよ。と笑って話を終えた。
─ 了 ─
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