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「いやー、ごめんね。手伝ってもらっちゃって_____」 雛見秕が振り返る。 申し訳なさそうにしていたその顔から、一瞬で表情が消えた。 そして青ざめていく。 彼女は早足で僕に近づき、乱暴にノートを取り上げると、まるで我が子を守るかのように両腕で抱えた。 ああ、きっと彼女のこんな顔を見たのは僕が初めてだろうな。 そう思えるほど、彼女には似つかわしくない表情だった。 普段の、いつも笑顔を振りまく彼女らしくない、辛そうで泣きそうな顔だった。 「違うのっ」 僕が謝るよりも早く、彼女が早口に言う。 「これは、違うのっ」 勝手に見た僕を責めるのではなく、彼女は意味もなく否定した。 「えっと、なんとなく……みたいな、時々止まらなくなって……じゃなくて……」 しどろもどろの返答をしながら、彼女の表情がどんどん追い込まれていく。 明らかに動揺していて、というより焦っていて、頭が回らないようだ。
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