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「あ、もしかして嫌だった? そうだよね、食事のあとだったもんね。あー、ごめん! なんかこう我慢できなくてついっ!」
つい?
「別にその辺のことはなんとも思ってないよ。ただ、びっくりした」
「ならよかったけど……なんかね、こう、勢い余って、やっちゃったっていうかね……」
その割にはあまりにも堂々としていた気がする。僕に屈ませて、キスして、最後の耳打ちまで、全部落ち着いていたように思える。
「て、てゆーかさ。そーいうの普通聞くかなぁ。気になっても黙っとくもんじゃない?」
口を尖らせて、秕がそっぽを向く。
二年間同じクラスにいるけれど、彼女のそんな表情を見たのは初めてだった。
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