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僕にとって雛見秕は別世界の人間だった。 スクールカーストの上位に属する彼女と、最下位に属する僕とでは住んでいる世界が全く違う。 見えている世界もきっと違うだろう。 彼女の周りにはいつも誰かしらいるのに対し、僕の周りには基本誰もいない。 それだけ言えば、僕たちが決して関わることのない人間だというのがわかってもらえるはずだ。 彼女の立場を含め、僕の立場も察っせられるというものである。 去年と今年、二年間同じクラスに所属しているものの、お互いがお互いのことを気にすることなど一度もなかった。 僕と彼女の間は境界線がはっきりと引かれていて、絶対に行き来できないように、それぞれの世界を隔てていた。 じゃあどうしてそんな僕が彼女と話すようになったかと言えば、それはもう偶然としか言いようがない。 どちらが意図したわけでもなく、それは本当に偶然だった。
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