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焦る気持ちで地面を探った。
探し物は、今朝落としたらしい本。
そしてそれは以外なところから見つかった。
「・・・あのー・・・」
それは見知らぬ女の子。俺の本を持って木製のベンチから立ち上がる。
「これ、もしかして?」
彼女は本を差し出して。
「あ、うん」
「はい、どうぞ」
素っ気なく本を渡され、そそくさと俺に背を向けた。
「あ、あのっ!」
「・・・?」
咄嗟に、呼び止めてしまった。
「・・・ありがとう」
「どういたしまして」
そうじゃなくて・・・。
「あのっ!」
今度はその手を掴んでしまう。
「こ、この本貸しますか?学校、同じみたいだし・・・」
彼女の制服を指差した。
「・・・」
彼女が黙る。
「・・・すいません。迷惑、でしたよね・・・」
「いいの?」
「はい・・・?」
「借りていいの?その本」
「あっ、はいっ!!」
「ありがとう」
彼女の笑顔や帰り道。次会う理由は俺の全てを輝かせた。
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