第1章

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 新たな事実に混乱していると、ばあちゃんは事も無げに言った。 「まあ、その話しは家に帰ったらおいおい話しますわぁ。今日はそこの賭博(とばく)狂いの河童に頼まれてはったこの酒を届けに来ただけどす。あんさん方、遊ぶんはいいどすけど、あまり長居しいひんで早う家に帰りぃなぁ。ほな、うちは早う夕食作らなぁあけませんと、お暇しますわぁ」 「おや? もうこんな時間ですか? 私もお暇しますね。カワタロウさん、今度の日曜日にまた釣りに行きましょう! でわ」 「僕もまた巡回に戻りますね。カワタロウさん、賭け事を程々にしてくださいね! それじゃあ」 「おおう。またな~、お三方!」  呆然とする俺を無視して三人ともこの場から去って行った。 「まさか、フミちゃんの孫がこないに大きゅうなってたとはなあ。時の流れは速いなあ~」 「へえ、カワタロウさんは御門くんが赤ん坊の時を知っているのね。あやしてたのかしら?」 「せやな、おむつも替えよったよ」  マジか! 「おむつを替える河童ってなかなかシュールだな。まあ、そんなことより、早く人魚を復活するところが見たいんだけど、まだ沸かないのか?」 「おい! 友達がショックを受けているってえのに、言葉を掛けるとかしねえのかよ!」  憤慨する俺に問題児どもは声を揃えてふざけたことを言いやがった。 「いや、別にないな」 「御門くんの秘密なんてどうでもいいわ」 「それよりも~、人魚さんを助けるのが先だよ~」  お前らには通う血がないのか!! 「坊主、気い落とすなよ。オッチャンは味方やで」  河童に同情された!? その生暖かい目、やめろ! 腹立つ。
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