対決

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 大声で叫ぶあや。騒ぎを聞きつけた駅員がやってくる。もう一人の刑事が警察手帳を見せながら、困ったように頭を下げていた。  なおも暴れるあやを引きずるようにして、三國が駅の外へと連れて行く。その後に続く刑事。変なところ触んないでよ、痴漢。そんなわめき声が徐々に小さくなっていく。  そして駅の中にあった流れが元を取り戻した。  二人の背中を見ながら、松樹はため息をつく。 「ホントだったらこのままジ・エンドと行きたいけど、やっぱ映画みたいにはいかないのね」  杉元が苦笑する。 「当たり前ですよ。さ、行きましょう。何だか……気持ち的に疲れました」  とぼとぼと歩き出す杉元。その後をちょこちょこと歩きながらついていく松樹。しきりにため息をつく杉元。 「どしたの?」 「女性とはあんなにも変わるものなのかと……」 「そりゃそうでしょ」 「松樹さんはあまり違和感なかったのですが、あの清楚な感じの子があんな悪事を計画して、男二人を操った上に、逃げようとしてあんな汚い言葉を吐くなんて……」 「……何で私だけ違和感ないのよ」 「ほら、置いていきますよ」  杉元が歩くスピードを上げ、駅の出口へ向かう。 「ちょっと!」  松樹は走るようにしてその後を追った。
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