第二章

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「全然出口見えねえ……。どこまで飛ばされたんだか」 あれから一時間ほど歩いたが、イベントも強敵も現れず、カナタの顔は随分と死にかけていた。 ここは森の中なので景色も楽しめるわけがなかった。 木々、雑草、ツタ……植物以外に何を楽しめと言うのだろう。 何度かゴブリンや豚の魔物であるオークに出会ったがその戦闘は一瞬で終わっていた。 そしてそんなカナタを馬鹿にするように、目の前に腕が四本ある熊のような魔物が現れる。 「ウガアアア!」 身長は三メートルあるだろうか。 現れた瞬間には木々が倒れ、鳥が羽ばたき、空気が変わった。 その刃のような爪はひっかかれたら重傷は逃れられないだろう。 しかし、タイミングが悪かった。 「うるせえな」 強敵らしき魔物が現れても慌てず、カナタはとんでもない速さで熊の死角に入った。 ライボルグを構え、横に一閃。 一瞬にして熊の首は飛んだ。 「こっちはお前らに構ってる暇なんてねえんだよ」 戦闘の結果を見た魔物は脱兎の如く逃げ出した。
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