第二章

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ようやく森を抜けることができた。 さ迷ったのは一時間ちょっとであったが、カナタにとっては一日のような感覚だった。 「はあ、やっとか」 疲労を言葉に出しながらも喜びに浸り、カナタは寝心地良さそうな雑草の上に座り込んだ。 空は雲一つない快晴だ。 平和そうに鳥たちが飛び回っている。 このまま寝てしまいたいが、それよりも腹の減りが問題だ。 すでに限界にまで達した腹の虫は怪物のようなうなり声をあげている。 このままだと飢え死にだ。 途中で倒した熊を食おうと思ったがさすがに少し躊躇った。 奥にずっと広がる草原にはある程度の村があるようなのでそちらに向かうことにした。 ◇ 「とりあえずここがどこなのか訪ねないとな」 そんなことを呟きながら近づいていくが、村の様子がおかしいことに気づく。 叫び声が聞こえてきたのだ。 カナタも初めは自分のことを警戒されているかと思ったが、それがすぐに違うと気づいた。 村人が数人走りながら叫んでいる。 手には斧や剣を持ち、その顔はとても恐ろしげだ。 「盗賊?それとも魔物か?」 村の柵を越え、村人が走る方向に向かうとそこには村人と盗賊が争っている姿が見えた。 盗賊は見える限り八人だろうか。 先頭で叫んでいる男が親玉のようで、片手で赤い髪をした少女を掴んでいる。 人質をとっているようで、村人は何もできないようだ。 「こいつを殺されたくなければ、村にある食い物と金目のものを持ってこい!逆らえば殺すぞ!」
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