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「いかがですか?」
「あ、はい。
何か色々と…思い出した気がします」
都内某所・高級マンション内のカウンセリングルーム。
私はこのマンションにある自宅兼相談室で、催眠療法を行っているのだ。
心理学のカウンセラーの中にはその心の傷が何かを更に探る為に、記憶を遡って行く必要がある。
「私、お父さんに虐待されていたのかな。
思い出せなかった記憶が戻って来たかも」
「それは貴女の悩みを解決する為には必要…なのですよ」
「そうですね。
何で私があんなにアレが嫌いなのか…まだまだ時間かかりますね」
慌てなくても良いです、と笑顔で相談者を送り出して…ズシリと身体に重さがかかる。
催眠療法はそれなりの気力や集中力を使う。
かなり訓練していなければ、遊び半分でやられては大変な事になってしまうだろう。
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