明日のふたりぼっち

・A「ここは禁煙ですよ」

・B「確かにそうかもしれないが君以外に注意する者はいない」

・A「じゃあ注意したのでやめて下さい」

・B「煙草の煙は嫌いか」

・A「嫌いです」

・B「では注意された私は最後の一本である煙草を消すことにしよう」

・A「相変わらず面倒な人ですね」

・B「その面倒な人に話しかけてきたのは君だ。もし私が犯罪者だったのならどうする気だ？」

・A「罪悪感が芽生えるのを期待して叫びます」

・B「芽生えなかったらどうする」

・A「この場においては逃げる場所などありませんから舌を噛み千切ります」

・B「そうなると一人でバスを待つのは辛い」

・A「本当にバスが来ると思いますか？」

・B「分からない」

・A「そうですね……」

・B「明日は何の話をしよう」

・A「明日の事は明日決めましょう」

　何度も繰り返される明日の世界に二人ぼっちの会話が虚しく響く。