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「どういう....事かしら.....?」
バックミラーには微かに見えて来た。
序盤では完全にミラーから一縷の光すら消し去った。
現在は中盤セクションを走行しているが徐々に光が灯されてきている。
「セブン....奈々ちゃんが私に近づいている....」
気のせいなんかではない。確実に光がこちらに来ている。
「私は手を抜いていない。だけどこんな事になるなんて....何が起こっているの...」
前半はストレートが多くそれこそ雨のコンディションと合わさってランエボの方がセブンよりも絶対的に有利。
エンジン音すら消える程に引き離したが中盤セクションからはコーナーの数が増えてテクニカルになっていく。
だがそんな事では今の白虎に追いつける理由にはならないハズ。コーナーが増えようと彼女は知り尽くしている地元を全開走行しているのだ。
その速さはとても追いつけるもので無いのは地元が一番知っている。
「アクセルはまだ踏む.....っ!ここっ!!」
一瞬ブレーキペダルを踏み込んですぐに離す、あっという間もなく車体は大きく横を向いてしまうが横に向く前にはカウンターステアを当てている。
減速をしたとはいえホンの一瞬なので確実にオーバースピードでありどう考えてもクラッシュしか浮かばないギャラリー達。
だが白い車は大きな角度を付けてそのままコーナーを抜けていってしまう。
強い効き目のブレーキを使用しているがペダルを踏むのは一秒あればいい方だろう。
そう、奈々はその一瞬の間に荷重を移動させて車体をドリフトモードに入らせている。
ブレーキは荷重が少しでも移動すればそれだけでいいや
そんな声すら聞こえる無謀過ぎるドライビングを眼にした者達は叫び声すら上がらない。
白い車が通り過ぎた数秒後....絹のように滑らかなエンジン音が耳に残っている。
そして奈々のドリフトを見た者達は、FRなどゴミと思っていた者達は
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