sp.26『四天王- 白虎-』

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絹のように滑らかに回るエンジン。 BMWが製作した6気筒のソレは『シルキーシックス』と言われている。 人によっては「これはシルキーシックスではない」と意見もあるらしいが、奈々はS50B32エンジンをシルキーシックスと呼んでいる。 シックスとセブン   6と7 ホワイトのカラーリングもシルキー....絹のように綺麗な白。 そこまで考えて選択したのか?はたまたそうではないのか....随分と洒落たエンジンを見つけたものだ。 9500rpmまで回す事を可能にしたそのサウンドは美しく無駄な音など一切無い。絹は衣擦れの音すら美しい。 だが最大パワーとトルクはそこまで回さなくても発揮できる。通常であるならば9500まで回す必要性は全く無い。 だと言うのに彼女と弔の考えで踏み込む必要のない高回転を可能とした。 何故か?.....それは『遊び心』それもまた走り屋にとっては大事な要素。 エンジンのサウンドをトコトンまで楽しみたいから。綺麗なサウンドをもっと聞きたいから。 何処までも回すなんて出来ないのに、何処までも回ると思わせてしまう突き抜けるNAサウンド。 こんな音通常のFD3Sでは絶対に出せない。だがこの白いセブンのボンネットからは確かに絹の如く滑らかに唸るサウンドが聞こえてくる。 もう那々島湊が生み出したSR-7ではない 唯一無二、本当の意味での、天川奈々だけの『 7 』なのだ。
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