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奇妙な車が近づいてくる。
ポルシェのようなフロントを持ち、コルベットのようなリアを持ったありえざる存在が近づいている。
「何....あの角度っ?何故....?私に追いつけるのっ....」
ミラーに映りこむ白い車の動きがおかしい。
スピン確実な角度を付けて横を向く、だがそのままコーナーを突き抜けて少しずつ自分の元へと近づいている。
この雨で自分が?ランエボが?何で追いつかれる?
ブレーキングを行ったらすぐさまランエボを横にし、アクセルを踏み込んでいく4WDドリフト。
今の白虎は恐らく夕鶴と走っていた時よりも乗れている。それこそ区間タイムを数秒更新しているのだ。遅いわけがない。
「でもっ....!追いついてきているっ!!奈々ちゃんがっ!私とランエボにっ!?」
....理由が分かった....恐らく
「奈々ちゃんは私がブレーキングを行っている部分ではしていない....私はこれ以上は無理というハイスピードラインを通っているのに、奈々ちゃんはそれ以上の速度で突っ込んで極めてシビアなラインでクリアしている...っ!」
幾ら悪路に強いランエボとは言えブレーキ無しで曲がれるなんて事は出来ない。
しっかりとハードブレーキングをしつつキッカケを作り出す、後はアクセルを踏み込めば車体は勝手に進んでくれる。これは4WDにしか出来ない芸当だ。
だが後ろのセブンは全くそんな事はしていない。
クラッシュ寸前まで突っ込んでブレーキは一瞬踏んで最低限の荷重を移すだけで速度は殆ど落ちていない。
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