第一章 「テンプレ?何それ不味そう」

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…小鳥の囀りが聞こえる。 格子の外を見てみればもう朝のようで、無数の小鳥が羽ばたいているようだ 普通なら気持ちの良い朝だろうが、彼の場合は違う。 何故なら 「…634番、出ろ」 此処は監獄で有り、彼は死刑囚だからだ。 しかも、どうやら今日は死刑の執行日らしい。 牢獄の監守の顔からして何となく察してはいたが、やはりそろそろ年貢の収め時なのだろうか そんな事を考えながら、鍵を持った看守が鉄格子の扉を開けるのを待つ。 「…よし、来い」 そう言われ外に出ると彼は 「…何、やめっ」 隠し持っていた拳サイズの石で思い切り看守の頭を殴りつけた。 飛び散る血飛沫、倒れる看守、血まみれになった鍵。 そんな景色をよそ目に、彼は出口へと走った。 警報や増援の看守の声を無視して、ただひたすらと。
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