第1章

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「よっ!何お前、相変わらず本ばっか読んでんのー?アホになるよ」 ・・・最悪だ。 この男に捕まったら私の静寂はまずないと思った方がいい。 「シカト?大事な幼馴染みをシカト?ねーねー」 「あぁもうっ!うるさい!!大体本読まないアホのあんたにどうこう言われたくないのよ。いい加減にして」 「そんな怒んなって~。俺だって部活部活でお前と会う時間全然なくて寂しかったんだからさー」 「・・・ちょっと、鳥肌立つようなこと言わないでよ。気色悪い」 「ひっど!」 「もう!どっか行ってよ」 「俺だってここからバス乗るもん」 「じゃあ静かにしてて」 「はいはい」 慣れた手つきで髪を撫でる。 「俺結構マジなんだよ」 その言葉は、聞かないふりして本を読んだ。 だけど変なドキドキが邪魔をして内容なんて、ちっとも入ってこなかった。
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