第1章

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「愛妻家な課長がいいと思いますよ。」 と口にしたことは、確かにある。 本来なら、 『愛妻家な課長が好きですよ。』 と口にしそうになって、 一呼吸置いて、言葉を選んだのに… なんであんな勘違いされなきゃいけないんだろ。 「貴女に会わなければ、こんな気持ち、持ちませんでしたよ。」 なんてキザなこと言われても、 ちーーっとも心に響かないのよ! ん。 不倫だからイヤっていうんじゃないわ。 正直、気持ち悪いの。 でもね、 課長ね、営業成績が、いいの。 うちの営業所から今抜けられると困るの。 だから、 訴えるとね、ちょっと困ったことになるのはわかりきってるの。
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