第1章

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懐かしさに浸ってる場合じゃなかった。 「おーい。嬉野主任ー。」 「はーい。なんでしょう?」 「コレ出来るか?」 「はい。何時までに出来ればよろしいですか?」 「なる早で。」 「かしこまりました。」 お辞儀をして所長室を出る私。 『なる早』って最近よく使い出したのはなぜかなー。 誰かの影響かなー。 なんて心の奥で思いながら、 パソコンに向かう。 過去のデータ引き出しながら、 指示されたメモを解読する。 そう、解読。 私が便利だと言われる一つの理由がコレ。 どんな悪筆でも解読出来るの。 本人でも読み返せない字も解読して、 要求された以上の書類を作成して、 再び所長室のドアをノックする。
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