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乱暴、そう言ってしまうには力は弱く
かといって突き放せるほど弱くもない
七瀬を口に含んだまんま、私は睨むように見上げる
その、――勝ち誇った目、ぶっ潰してやるから
思った以上に私の口内を圧迫する七瀬にムカついて、いちど吐き出そうとして口を引くと、
また、押し込まれる
喉の奥の壁に当たって、苦しくて涙が滲む
「ナニ、その顔」
「――」
「苦しいの、好きなんだろ?」
ああ、――なんで
なんで、こんな男に
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