染色体 第5話

暗黙

――心のどこかで、欲していたのか

隙間から、忍び込んできた指先が、迷いなくその尖端をとらえてつまみ上げる

ビクン、と腰が反応して

そんな私の姿を、冷ややかな目で七瀬が見つめる

｢両手、ついてねーと、怪我――すんぜ？｣

｢――ん｣

足先にまで届いた刺激に、指先が丸まる

七瀬の舌先が、膝の内側でくすぐるようにうねる