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「言ってみてよ」
ぐい、と。
さらに力を込めて、引いたネクタイを手のひらに絡める
瞬間、腕を掴まれて
あっという間に、七瀬は私の身体を押し倒した。
「いつから?」
「――は?」
「いつから、そうなわけ?」
何かに納得のいかない、――そんな顔をして。
七瀬の影が、
私を包み込む。
「ずっとこうだけど」
――これからも、ずっと。
そんなどうでも、いいこと
いちいち聞かないで。
言葉が、――それ以降。消えた。
落ちて来た影と、私の見栄が重なった瞬間、
互いの口が塞がって
混じりあう
ムカついて仕方ないのに、身体はとっくに疼いていて
七瀬が脱がした部分を指でなぞりあげる
「どうしようもない女」
そう呟いて、離した唇を首筋に移動させた
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