宝物

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赤石に腹が立たないのか、といわれたら これがまた不思議で、特に気にならなかった ――それどころか、美沙に泣きつかれた時、 どっかで安心していたような気すらする 赤石は女にはだらしないけど、――仕事はできる 嫌いか、といわれたら 嫌いどころか、好きなほうの部類に入る 「弓槻、ちょっとこのあと俺が借りていいですか」 赤石のメツキが変わった 「あ、そ。そうですね、私も七瀬ともう少し、――話があって」
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