宝物 #3

31/35
1518人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
「いらっ――お、見慣れない顔」 「すいません、ご無沙汰してました」 無精髭に、緩やかなパーマの長髪。 風格もあって――ガタイも、いい 俺の姿をみてすぐにそう笑ったマスターの佑(たすく)さんは、 手招きしてカウンターに俺を呼んだ 「今日、平日で客がいねーんだわ」 カウンターから出てきた佑さんが、外へ出て看板持ってまた戻ってきた 「――あれ、閉店っすか?」 「わかってんだろ、聞くな」 バハッ、っと豪快に笑って 佑さんはカウンターに戻る 「――で?」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!