1658人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
艶々と光る唇には、俺のだか弓槻のだかわからない透明な液が、滴るように顎まで滲んでいる
その表情が光悦としすぎて
「そんな顔しても、無駄」
物欲しげに俺を見る
昨晩、快楽に流されて互いに自分を見失っていたような野蛮さはない
これは確実に、――確かな意思
俺も含んで、突っ込んだ指の脇からはだらだらと唾液を垂らして
訴えるようなその顔が、……許せない。
自分でそうしてるくせに
「あー、もう時間ねーよ?」
衝動を、止めれない。なにも、かも。
最初のコメントを投稿しよう!