泡沫 #2

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茉麻はそう悩ましい顔で呟いた 「じゃあ、手短に済ませよう」 虫排除も、――据え膳も。 善だとか悪だとか、性格に問題……は、多少あるけど。 そんな人格者でもない いい人ぶる気だってないし、――なるようになるとしか考えてない だから、何も感じてなかった 「名前なんていうの?」 「――え?」 「ほら、俺。さっきのとき、ほとんど名前聞いてなかったから」 佐々木だのヒトミだの、耳のはしっこには聞こえて来てたけど。 正直、浮いてた茉麻以外の輪郭はほとんど脳に残ってない 「弓槻です」 「ゆづき?」 「茉麻、です」
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