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茉麻はそう悩ましい顔で呟いた
「じゃあ、手短に済ませよう」
虫排除も、――据え膳も。
善だとか悪だとか、性格に問題……は、多少あるけど。
そんな人格者でもない
いい人ぶる気だってないし、――なるようになるとしか考えてない
だから、何も感じてなかった
「名前なんていうの?」
「――え?」
「ほら、俺。さっきのとき、ほとんど名前聞いてなかったから」
佐々木だのヒトミだの、耳のはしっこには聞こえて来てたけど。
正直、浮いてた茉麻以外の輪郭はほとんど脳に残ってない
「弓槻です」
「ゆづき?」
「茉麻、です」
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