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物事を深く考えるタイプじゃない
だからこそ、あまりいいとは言えない過去を持ちながらこうしてのうのうと暮らしてるわけだが。
茉麻の後ろについて階段を上がる。
五階建てだというのにエレベーターのないそのマンションは、見た目ほど中は新しくなく、古びたビルで雰囲気が
「出そう」
「な、なっ…?」
「別に」
無防備、というか。
何処か浮世離れした茉麻は、ビクッと肩を浮かせて振り返ると、俺を不安そうな顔で見つめた
こうして至近距離から見れば、相当整った顔をしているのに
色気のカケラもないせいか、さっきまであった下心もいつの間にか薄れていた
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