泡沫 #2

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玄関のドアに鍵を差し込んだくせに、チラチラと俺の方をみてそれを開けようとしない茉麻 それがわかってたのに、俺は何も言わずにその場で茉麻がどうするのかを観察していた 不思議だ 今迄見てきたどの女とも違うタイプ 色気に誘われるわけでもなく、ただ。 変わった生き物がそこにいるようなヘンテコな気分になって、その動向に身を任せる 明日、仕込み担当だから朝早いんだよ、って。 俺はぼんやりとそんな事も考えていた 「あ、あの…」 「なに?」 「た、退治を」 茉麻が申し訳なさそうにそう言ったので 「そうだったな」 ここに存在している理由を思い出し、俺は茉麻の横に立つとドアノブに手をかけた
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