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玄関のドアに鍵を差し込んだくせに、チラチラと俺の方をみてそれを開けようとしない茉麻
それがわかってたのに、俺は何も言わずにその場で茉麻がどうするのかを観察していた
不思議だ
今迄見てきたどの女とも違うタイプ
色気に誘われるわけでもなく、ただ。
変わった生き物がそこにいるようなヘンテコな気分になって、その動向に身を任せる
明日、仕込み担当だから朝早いんだよ、って。
俺はぼんやりとそんな事も考えていた
「あ、あの…」
「なに?」
「た、退治を」
茉麻が申し訳なさそうにそう言ったので
「そうだったな」
ここに存在している理由を思い出し、俺は茉麻の横に立つとドアノブに手をかけた
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