泡沫 #7

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その後悔は時間がたてばたつほど大きなものになって、病気のことなんて忘れてしまうほどだった しばらく茉麻がいなかった部屋は、別れを決めた今ではまるで違う景色で こんなにも色褪せて粗末なものだったのかと愕然とした 茉麻のいない世界には、色がない 茉麻がいなくなったいま、もう、何をどうしたらいいのかさえわからなくて 俺ははじめて、仕事で仮病を使った――と、言ったって 本当に病気だから滑稽だ
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