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母さんが、俺のために泣く姿は正直不思議な感覚だった
そんな風に考えたことがなかったせいだろう
いくぶんかの時間がすぎて、落ち着いた母さんが口にしたのは、親父の話。
俺の知らなかった世界が、そこにはあった
本当に、愛したと
日に日に似てゆく俺を見ると、心がまたあのときに戻る
どうしようもなくだらしない男だったのに、どうしようもなく愛した
他の女のところにいくのが許せなくて、何度も死のうとした
でも、俺がいたから
そう出来なかった
「私の人生は、あんたのおかげでここにある」
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