泡沫 #8

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母さんが、俺のために泣く姿は正直不思議な感覚だった そんな風に考えたことがなかったせいだろう いくぶんかの時間がすぎて、落ち着いた母さんが口にしたのは、親父の話。 俺の知らなかった世界が、そこにはあった 本当に、愛したと 日に日に似てゆく俺を見ると、心がまたあのときに戻る どうしようもなくだらしない男だったのに、どうしようもなく愛した 他の女のところにいくのが許せなくて、何度も死のうとした でも、俺がいたから そう出来なかった 「私の人生は、あんたのおかげでここにある」
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