抑制 #2

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そのままベッドに腕をついて、ギシリとマットが軋んで音をたてる 重ねた唇からはミネラルウォーターがこぼれて そんなものは構わずに弓槻ごとベッドに沈む 「なな、せ」 弓槻の名前を、俺は呼ばない それをしてしまったら――もう、この関係が終わってしまうような気がしてしまって 俺の本心を守る壁は、そんなに分厚くはない ――茉麻 愛しい、ヒト その名前を口にしてしまったらもう 俺は、自分をこれ以上抑えきる自信がない
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