抑制 #2

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ああ言えば、こう言う お仕置き足らなかったか、昨日。 「この辺り、タクシーなかなか捕まらねーんだよ」 ごそっ、と。 仕方なく諦めて、言い訳つけて起き上がる 「――そう」 興味の無さそうな、――俺なんかどうでもよさそうな弓槻の返事に、大人気なく、プツンと――切れてしまった 「無駄な金を使う必要もないだろ、毎回そんなことすんの?」 俺の言葉に、ピンとこないのか、弓槻が首を傾げる 「タクシー」 「……へ?」 「金、貰ってまで、やってたわけ?」 山崎さんとの逢瀬のあと――弓槻は決まってタクシーで出社 「山崎部長のこと?」 「他も、いるんだろ」 そうそう、忘れてた コイツ、オトモダチは俺だけじゃないんでした 「――」 言葉に、つまる弓槻 反論、いや「そんなんじゃない」って弁解を少しでも求めてカマをかけた自分が情けない 「どうだっていいでしょ」 「まあな」 そんでまんまと、撃沈
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