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「は?」
「パーカー、着るんだ」
弓槻が、ぼんやりと焦点を定まらせないまま、遠くを見てそう言った
「何言ってんの?」
「――別に」
「お前、四六時中スーツなわけねーだろ」
俺がそう言うと、弓槻はふーん、と。相槌うつ
儚くて
消えそうで
手に入らなくて
俺のものになんかならない、そう思っていたあの時の苦しい思いが
胸を締め付ける
朝露の香りは、――あの時の弓槻を俺に、思い出させ
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