抑制 #2

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そっと、弓槻の指先を掴む ――離したくなくて……離れたく、なくて 「――ね」 「ん?」 「……や、いーや」 絡まってる指先。 弓槻はそれを、振りほどこうとはせず ただ、だまってされるがままだ 冷えた指先を、握りしめて――この体温の低さに……胸が、ざわつく 「冷たい」 「何がよ」 「お前の手」 「冷え性なの」 「あ、そう」 弓槻の存在は――俺にとってはとても不安定で だからこそ、儚く感じるのか ――俺を残して逝った両親や……松岡さん 俺を愛してくれる人は――いつも 俺だけを残して、この世から、消える
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