喪失

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眠ってる寝顔にしか、かけれなかった言葉 唐突に口走ったその名前ごと、自分を制御できなくて 腕の中で甘い香りを漂わせているこの小動物が愛おしくて、また腕に力をこめた 「――ムカつく」 「何が?」 ボソ、っと弓槻が呟いてゴチョゴチョと言ってるけど、――もう何でもいい 「なんでいんのよ」 「お前もなんでいんの?準備もうできたわけ? 迎えに行くっていっただろ?」 ――そう、逢えるのは深夜だと思ってたから 「し、してるわけないでしょ、見ればわかるじゃん」 「ん、だな。で、なんでいんの?」 なぁ、なんでここにいんの?
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