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もう、いいんじゃないか
俺の心の奥底で、そう黒い思考が顔を出す
居なくなった松岡さんに義理立てすることの意味の有無を何度も――何度も問いただす
そうだ
そんなこと、何度も考えた
「風呂入ったの?」
今は俺の腕の中にいる弓槻
薫る、甘い――弓槻の香り
「……う、うん、見たらわかるでしょ」
「いい匂いすんな」
さらに弓槻の身体を引き寄せて、髪に顔を埋めた
クラクラする
この香りに包まれていると――現実なんて全てどうだってよくなる
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