喪失 #3

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「酷いんじゃなかったの?」 「ナニが」 身に覚えのないことを弓槻が口走って、不機嫌そうに口を尖らせる 「香水、嫌い?」 「別に?」 「いいやもう」 「なにゴチャゴチャ言ってんの」 今日の弓槻はいつもと違って子供みたいに表情を変える 「もー!! 離してバカ」 「お前はヤってる時以外はなんでそんなカスみたいなんだよ」 「かっ……」 その姿がたまらなく可愛いもんだから、自制出来そうになくて いつもにも増して、思ってもない言葉が次から次へと出てくる これ以上、密着していたら――我慢出来るものも、……出来ない いや、とっくにもう 欲しいん、だけど。 ふと、腕の力を弱めたら、弓槻がびっくりした顔のままよろけた 瞬時にあわてて腕を出した瞬間、リスみたいな顔で弓槻が踏ん張ったもんだから 「ぶはっ!!」 思わず吹き出した どうしたって――何したって 弓槻は全部が、俺のツボにハマる
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