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この、――小悪魔。
思わず唇に吸い寄せられそうになった、その瞬間
「明日、仲里専務のお嬢さん、空港にくるの?」
「そりゃあ、来んだろ」
「……」
雰囲気も、何もかもぶっ壊して、まさかの仕事の話
こいつの頭の中、仕事しかねーの?
「なんで?」
そうこうしている間にエレベーターは到着
仕方なく、どうだっていい会話に合わせる
「現地アテンド、彼女が住んでた事ある、って」
「へえ、ドイツに?」
「そ、赤石さんとも視察。何回も行ってくれてたからな」
「へー」
そこで赤石に食われてこんなことになってんだけどな
「内定、決まってっし」
「あのお嬢サマ?」
「そゆこと」
「お前んとこで」
「ん、ふあ?」
「降りろよ」
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