喪失 #3

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うちの台所に立つ弓槻の姿が、結構新鮮で。 「うどんでいい、こないだの」 「や、やめてよ!!うどんしか作れない女みたいじゃんか! しかも冷凍食品だしっ」 「えー、あれ旨かったけど」 弓槻が作るものなら、なんだって食いたい 「もー、他には?」 「え?」 「おうどん以外、何かないの?食べたいもの」 弓槻の口ぶりになんの期待もしてなかったから、それは不意打ちだった 「……」 ヤバイ。 超ウレシイんだけど。 「茉麻が作ったもんなら、なんでも」 「茉麻って言うな」 調子に乗って名前で呼んでも、言葉とは違って弓槻が嫌そうじゃなかったから さらに、気分は上昇。
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