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そんなもの、遠い昔の話で
もう、自分の中では消化しきっていたと思っていたのに
自分の口からその過去を吐いて、やっと
その傷口がふさがってなかったことに、気が付いた
そう、俺になんか常に余裕がなくて
いつも自分のことばかりで
全然、弓槻のことなんてわかってやることが、出来てなかった
「そう」
「んで?これいーの?半分色変わってるけど」
「あ、返していい」
「うい」
「もう、シャツに油とぶよ」
弓槻はそう言って、俺の袖口の釦を外して三回折り曲げる
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