喪失 #3

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お互い、心ここにあらず 軽い会話を交わして、あらぬ方向にむいている気持ちが宙をまう 弓槻の指先からふと視線を顔に向けると、弓槻の瞳がゆらゆらと波打っていた 「茉麻?」 俺の声にハッとした弓槻が顔を上げた瞬間 「……せ」 「――なんで?」 「……え?」 「なんで、そんな泣きそうな顔してんの?」 今にも泣き出しそうな顔をした弓槻が、俺を見た
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