喪失 #3

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大丈夫そうな様子を確認して、安心してそれで終りのはずが、まだ自分の中で消化しきれてないのか気持ちは落ちつかない 「入れて」 そう無愛想に口にする 「あー、うん」 施錠が外れて、マンションに入ると一目散で部屋までを急いだ 何をそんな焦っているのかわからない 部屋にたどり着いて、インターホンではなく扉にコン。と拳で音を鳴らした 「開けてあるよ」 ――開けてある? その言葉に苛立ちが増幅して、ドアノブに手をかけると言葉通り扉は開いた 「鍵なんか開けとくな」 なんで? なんでそんな無用心なわけ
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