喪失 #4

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どこまでも、その行為は果てしなくエスカレートしていく 「――なんでそんな顔すんの」 弓槻が、俺を狂わせる 指先を蜜に濡らして、もうひとつのくぼみに滑り込ませた 「――やだ、そこやだ」 「嘘つけ」 「――っ、ふ……」 息がきれて、声は渇いて カラカラとした喉から、言葉にならない呼吸だけが洩れて響く なのに、まだ 「それだけじゃ――やだ」 もっ 「ぜんぶがいい」 ――… 「――そういうこと」 誰きでも、言って 誰にでも――よがって 男を、――翻弄させてるのかと、
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