喪失 #4

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事実はわからない、そんな空想の中だけの敵に嫉妬して、弓槻に対する独占欲は増していくばかり その最果てがどこにあって、自分の執着地点も全く見えない 「――っ」 弓槻が欲しがってる、ただの身体の快楽を先伸ばしにして、俺はなぶり殺すようにして弓槻をかき回した 「も――やだ、全部じゃなきゃやだ」 そう、弓槻が叫んだと同時に、我慢しきれなくなった俺は指先を差し込んだまんま、埋めこんだ 窮屈になったその二つの窪みは、同時に俺を締め付けたあと力果てて身体を震わせた 弓槻の身体にたまりかねて吹き出した残骸が、弓槻ごとドロリと辺りを汚した この行為の後には、いつも虚しさしか残らない 気を失ってしまってもまだ、弓槻の身体は震えていて、その姿に何故か少しだけ救われた ――弓槻が欲しがるのなら、 俺は――なんだって、かまわない
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