喪失 #4

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――もしかして 「……いい」 「なんだよそれ」 「い、ってば」 「準備、しねーと」 「すれば」 せっかく少し甘かった空気も――自分でぶち壊す俺のクオリティーに、自分で自己嫌悪 いや、実際。ほんとに時間がない。 そんなことはよそに、弓槻は頭を抱えてブツブツと言っている 「なに?頭いたいの?」 「そんなんじゃない」 「じゃ、なに」 くいっ、と弓槻の顔を持上げてその瞳に視線を合わせる 「顔、赤い」 「――も、暑いの」 俺を押し返す弓槻の姿に、チクリと胸が痛む そんな嫌そうにしなくたって。 「子供かよ」 子供なのは自分のほうなのに、それを誤魔化すようにわちゃわちゃに弓槻の髪をなでた
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