喪失 #4

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―――ーー 「――七瀬っ」 弓槻の声と同時に身体が揺れてはっと目を開けた 「――ん、ここどこ」 「なに言ってんの、寝てる場合じゃないでしょ」 「……あれ」 目の前には弓槻がいて、それが現実かわからなくて嬉しくてその身体を引き寄せた 「あ、茉麻?」 「――誰が他にいんのよ」 「ふはっ」 夢なら好きなように呼んでしまえと、これが現実だってことはさすがに気がついていたけど、弓槻がそれを否定しなかったことに気分を良くして思わず顔がほころんだ ご機嫌な俺は抱き締めたままの弓槻ごと床に寝転んだ うわっ、って可愛い声が聞こえて弓槻は俺の胸のうえで困った顔をしている 「もう、また寝ちゃうでしょ」 「大丈夫」 寝たら寝たで、かまわないだろ ここは俺のウチだし
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