道標 #3

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――嫌い、そう言われるのなら、いくらだってかまわない でも、俺に何処かへ行けなんて そんな哀しい言葉、さすがにキツイ いつかは、――そうしなきゃいけないのは、わかってる 「そうか」 嫌だ、なんか言えないからそう言うしかなくて 弓槻の隣に並んで壁にもたれる 「あっちいってよ」 「ずっと座ってたら血流わるくなんだろ」 「じゃあそこにいれば」 冷たく言葉を吐いて、弓槻が席に戻ろうとした瞬間 反射的に――手がのびた 行かないで
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